今日はサッカーをする気になれなくて、運動場に寄らず校門を出た。

学校の帰り道に川原がある。

付き合っていた頃は毎日この道を2人乗りをしながら帰っていた。

ときどき、俺が荷台に座って菜緒がペダルを漕ぐが、菜緒の運転はいつもフラフラして危なっかしいので、すぐに俺と交代する。

この道を通っていたときもフラフラして何度こけそうになったことか。



『菜緒の運転は危ない』


それは菜緒もわかっているはずなのに、それでも菜緒は運転をしたがる。


その仕草が“すき”だった。