しばらくして、雨が降ってきた。
「‥‥あ、雨」
「ほんとだ。」
わたしは、雨がスキ。
すべてを洗い流してくれる気がするから。
この音が心地いい。
「莉奈の好きな雨じゃん」
‥‥覚えててくれたんだ。
「うん!嬉しいっ」
雨よ、もっと降れ――。
「変わってるよなぁ。雨が好きなんて」
「よく言われるっ」
玲に変わってるって言われるとなんでか嬉しい。
‥‥変なの。
「‥‥他のやつとは違うから俺は莉奈が好きなんだ。」
「変わってる人が好きなんだ?」
「ちげぇよ。」
ふたりで雨の中笑いあう。
雨が温かい。
*
