「あ、あの伊集院先輩は……」


「海斗に用事?彼は今、職員室に行っちゃたけど、どんな用だったの?」


「これ、先輩が落としたものだと思って」


そう言って私はタイピンをバッグから取り出した。


「あ、もしかして、あなたが藍原さん?」


「は、はい……?」


突然名前を呼ばれてきょとんとしてしまう。


「あ、突然ごめんなさい。海斗が新入部員の女の子の話をしていたから」


にっこりと笑う姿は絵の中にいそうなほど綺麗だ。


「こんなかわいい子が入部してくれたから海斗嬉しそうだったのね」