プリントの束がいつもより重い。
化学室までの廊下が長い。
そう感じるだけなんだろうけど。
いつもとは違う意味で心臓の音がリズムを速める。
私は大きく息を吸ってから、少し強めにドアをノックした。
「失礼します」
先生がいませんようにと願った私の思いは虚しく、漂うタバコの煙でかき消された。
「藍原?お前聞いたか?今日のミーティングは――」
「伊集院先輩に聞きました」
先生が言い終わらないうちに言った私の言葉には、明らかに苛立ちが混ざっていた。
それにプリントの束の置き方だって雑だ。
こんなつもりじゃないのに……。

