【完】君と流れ星を。

樹くん?裕子?

確かにそう呼びあってた。



固まっている私の横を裕子先生はさっと通りすぎて、部屋を出ていった。

先生の通ったあとは微かに爽やかな柑橘系の香りがする。


「はい、これ。みんなに配っておいて」


「あ、はい」


曖昧に返事をして、先生の手からプリントを受けとる。


「紗奈?どうした?」


「いえ、何でもないです!失礼します」


私は早口にそれだけ言って、教室に急いで戻った。