『いっくんが、幸せになれますように!幸せになれますように!しあ……』 梨紗の言葉の余韻が吹き抜ける風でかき消される。 深く長い沈黙の間にはザワザワと木々が騒ぎ立てた。 『……いっくん、ごめんね。願い事、叶えてあげられなかったよ。私には難しいみたい』 梨紗の聞いたこともない切なげな声に、俺はさっき言おうとした言葉を言うことができなかった。 その声だけが胸を締め付け、息苦しいばかりで、伝えられた言葉の意味なんて分からなかった。 ――――――― ―――― ―