―――――――
―――――



『ホントにわっかがあるんだね』


『そりゃ、まあ、土星だからね』


感心した声を漏らす梨紗に、俺は少し呆れた声を出した。




高1の冬。

高3の幸にいは受験勉強真っ最中。


またもや暇になった俺らは、梨紗のリクエストで天体観測をしている。



それはいいとして、とにかく……寒い。


場所が開けているから風通しはばっちりで、望遠鏡を触る手にはもはや感覚すらなかった。