「で?で?何かいいことがあったんでしょ?」
それは千尋にも言えないよ。
抱きしめられた話とか、おでこと首にキスされた話とか、さっきのこととか……。
「いや、ちょっとからかわれただけだよ」
「ほんとに?でも紗奈は免疫さなそうだからなぁ」
免疫って……たしかに、ちょっとしたことでドキドキしすぎなのかもしれないけど。
「でも、ありがとう。ちゃんと聞いてくれて」
私の気持ちをバカにしないでくれて。
「ううん、こちらこそ話してくれてありがと」
ちょっと照れ笑いをして、私たちはチャイムの音で慌てて教室へ戻った。

