しばらくして、澤田くんが戻ってきた。


「はい、スリッパ」


「ありがとう!ホント助かりました」


「……大丈夫?」


「え?」


「いや、大丈夫ならいい」


少し、不器用な優しさ。

私が大丈夫でいられるのは、1人じゃないと知ってるからだよ。

澤田くんのこういう優しさがあるから、前を向けるんだ。