【完】君と流れ星を。

さすがに山の上にいるので、5月にしては少し肌寒いくらいの気温だ。

そのことに気をとられていて、気付いた時にはすでに紙袋は海斗先輩が持ってくれていた。


「す、すいません!」


私は慌てて紙袋に手を伸ばそうとすると、ひらりと身をかわされてしまった。

先輩はただ、にこにこ笑って『展望台』と書かれた方へ歩いていく。



階段を少し上った先は、小さな広場になっていた。

緑に覆われた山々と少し開けた街、見事に晴れた空が広がっていて私は思わず歓声を上げた。


「わぁ!すごい!」


なんてありきたりなセリフなんだろう。

でもその時の私にはそれしか言えなかった。