「 ・・・潤くんっ・・・!! 」


「 だいじょうぶだよ、舞ちゃん 」


「 だって、くらいよ・・・? 」




洞窟の向こうに見える光に
潤は気付いてた。




暗闇の中へ進んでいく潤の手を
引っ張って、帰ろう、と私は
何度も言ったのに、潤は
私の頭を撫でて、




「 ひみつのばしょ、いこうよ! 」




秘密、なんて子どもの好奇心を
くすぐる言葉を使って、
あっさりと私の涙を止めてしまった。




暗いのが怖いと感じていた
まだ幼稚園の私の手を引いて
暗い洞窟の中、光を目指して歩いていた。




「 ・・・わぁ!!!! 」


「 ぼくの、ひみつのばしょ! 」




この場所をお昼に見つけていたらしい
潤は真っ白な砂浜の上に寝転んで、
大きな瞳で星を見ていた。