「いや、嘘だから。本気にするなよ」 『……』 理性を保て。 あたしは大人。 幼稚な洸太に構っていられるほど暇じゃないわ。 ここは大人の対応よ、凜。 あたしは何事もなかったかのように無言で前を向いて、今までの板書された内容をノートに書き写す。 「ほんと、授業中に爆睡出来るお前って凄いよな」 『(……うるさいなぁ)』 「俺は周りが気になって、深い眠りにつけねぇ」 『(あっそう)』