「なぁ、」 『な、何?』 え? 何で、洸太は口元に弧を描いているの? あんた、滅多に笑わないでしょ! ほんと、その笑顔が怖いって。 ……まさか、さっきのお礼がほしいとか言うんじゃ、 「お前の寝顔、おもしれぇ」 『……は?』 「熟睡しているお前って、涎垂らすんだな」 『(よ、涎!?)』 あたしは慌てて口元に手を当て、涎が付いていないか確認する。