あたしは少々苦笑しながら、一番上の右端のボタンを押そうとした刹那――。 ――ガロン。 『……え?』 “ありがとうございました”。 女性の機械音声が耳に入る。 『……』 この自動販売機。 あたしにこてんぱんに分解されたいようだな。 何が、“ありがとうございました”だ。 まだ、ボタンを押していないんだけど。