【完】俺だけを愛して溺れろ。

「……本当に行きたくねぇのか？」



『行きたいです……』



蚊の鳴くような声だった。



やっぱり、食欲には勝てない。



プライドを捨てたあたしに、洸太が嫌みなくらい口角を上げた笑顔を向けてきた。



「ほんと、食欲旺盛」



『……』



「これ以上、太らなきゃいいな！」



ぎりっと歯が鳴る。



そのめっちゃ爽やかな笑みを浮かべている顔に、めり込みパンチを与えてやろうか？