「なぁ、凜。一つ提案があるんだけど」 『ん?』 「ドッグタグさ。俺が凜のドッグタグを付けるから、凜が俺のドッグタグを付けてよ」 『……』 「もし万が一、凜の身に何かあった時、真っ先に駆け付けるのは、」 “俺”だ――。 あたしにとって、素晴らしい殺し文句だった。 その言葉に救われた。 あたしは繋がれた指先に、少しだけ力を込める。