【完】俺だけを愛して溺れろ。




本当はこんなこと、誰かに話す気などこれっぽっちもなかった。



だって、同情されるのが目に見えてるじゃん?



あたしは、同情の言葉なんていらない。



ただ、一言だけ。



「頑張ったな」



『っ、』



その言葉が欲しかった。



あたしの頭を優しく撫でる中島。



その温かい手に、あたしは不覚にも涙が出そうになる。