『お父さんとお母さんにはもう会ってない。お父さんは家賃払ってくれるし、仕送りだってしてくれる』
「……」
『後から事情を知った兄ちゃんも、仕送りしてくれて……』
「……」
『けどね?あたしに、金銭以外で万が一問題が生じた場合、頼れる人も味方もいない。友達には出来るだけ迷惑をかけたくない』
「……」
『だから、味方がいると思い込む為に写真を飾るの。だから、ドッグタグが欲しいの』
「……」
『そんなあたしを中島は滑稽だと思う?』
あたしは中島を見つめて、力なく笑う。
中島は苦しそうに顔を歪めていた。

