【完】俺だけを愛して溺れろ。




『離婚する条件の一つだったんだ』



手に取っていた写真立てを置き、再び気になっていた写真立てを手に取る。



『あたしの親さぁー。二人共、不倫してたんだよね』



「……」



『お父さんは駅前のホテルで同じ女性を抱いて、お母さんは自分の家で男をコロコロ変えて抱かれてた』



「……」



『当時、兄ちゃんは大学四年生で一人暮らし。助けを求めることが出来なかった』



「……」



『ほんと、地獄だった。聞きたくもないお母さんの喘ぎ声に何度も吐いてた』



「……」