【完】俺だけを愛して溺れろ。




中島は前触れもなくキスを落とす。



また不意打ちだった。



けど、今回は触れるだけのキス。



中島はチュッとリップ音を立て、あたしから離れた。



何!?



この辱めは!



『ちょっ、あんたねぇ。時と場をわきまえて――…』



「なぁ、凜。このマグカップ、俺たちにピッタリだろ?」



あたしの目の前にマグカップを突き付け、ニヤリと笑顔を見せる中島。



それに対して、突然のあまり、不快のあまり、少し身を退いて顔を顰める。



そして、目の前のマグカップを凝視して、度肝を抜かれた。