「俺、凜とお揃いのマグカップじゃないと、嫌なもんは嫌だ」 『お前は女かっ!』 呆れ返ったあたしは、目頭を押さえる。 あー、ヤバイヤバイ。 今のやり取りで、大分エネルギーを消費したわ。 ……まぁ、あたしが何と言おうが、中島はお揃いのマグカップを買うんでしょうねっ! そんなことを思いながら、あたしの隣でマグカップを選んでいる中島を横目で見る。 『(あっ、)』 中島が笑ってる。 嬉しそうに、愉快そうに、口元を緩めてる。