【完】俺だけを愛して溺れろ。




強引な人だなぁー。



『(……欲しい物か)』



正直に言うと、今は何もない。



「凜」



『……うん』



「遠慮はいらないからな?」



って、言われてもねぇー。



あたしは腕を組み、思案する。



うーん……。



『マグカップとか、写真立てとか?』



「あとは?」



『(“あとは?”って……)』



「ほんとにないのか?」



中島は眉根を寄せ、あたしを見据える。