* * * 『あ、晴れた』 中島の買い物に付き合ってる間に、雨脚は遠退いていた。 空は澄み渡っていて、向こう側には七色の鮮やかな虹が架かっている。 「雨上がりだな」 中島は空を見上げ、ぼそりと呟く。 それに対して、『そうだねー』とどうでもいいような口調で言った。 だって、晴れようが晴れまいが、 『(中島は繋いだこの手を解いてはくれない)』 あぁ、弱った。