「…それは…!?」

グレンの右手の甲の紋様は紅い光を放っている。

「作戦の開始する前に大元帥に封印紋の解除申請をしておいたんだよ。」

グレンは右手の紋様に霊気を込めた。

「離れてろ!」

部下達は言われた通り遠くへと離れた。

「うおおおおおおっ!!」

グレンの右手の紋様の三つある円の一番外側の円が光の粒子になって空気中に拡散した。「はあぁっ!!」

グレンは一気に霊力を放出した。その霊力は普段の何倍もの濃度と量で放出された。霊力は衝撃波となって空気中を駆け抜け、海面からは激しい水しぶきが上がった。炎の巨人もさっきよりも炎の色が濃くなっていた。するとグレンが耳に付けた通信機から大元帥の声がした。

「…封印紋を解除したんだね。ならば、指令を下そう。アトランティスのシールドを破壊するんだ。」

「…あぁ。了解した。」
グレンはアトランティス目掛けて突っ込みながら炎の巨人と同化して巨大な炎の塊になった。グレンはそのままアトランティスに突っ込んだ。シールドとグレンとの間で激しく火花が散る。

「あのシールドは瞬間開放型の様だな。」

「あぁ。だからグレンは一気に突撃してシールドの一点のみに狙いを絞ったんだろうな。あのタイプは一点を狙われると弱い性質があるからな。」

憲蔵とユリスは戦艦からその様子を見ていた。するとガラスが割れる様な音と同時にアトランティスのシールドがバラバラに砕け散った。グレンはそのままアトランティスの塔を貫いて後ろに抜けた。
「やったか!!」

憲蔵とユリスは思わず声を上げた。しかしそれも次のグレンの言葉で吹き飛んだ。

「何ボサッとしてやがる!!」

その時、遥か上空から一筋の光がアトランティス目掛けて降り注いで来ていた。