「では、アトランティスを囲むように第八師団の無人艦隊が包囲し、その外側を有人艦隊が包囲する。上空からは第一、第六師団が有人艦隊と同じ距離で包囲する。そして一斉砲火で動きを封じ、軌道上の攻撃衛星『メシアの剣』を照射する。着弾を確認後、海底に敷設した『メビウスリング』を発動。メシアの剣をメビウスリングの内側で多重屈折させることで威力を増大させる。環境被害も最小限で住む。」

ここは元帥達が集まる会議室だ。今は作戦に参加する元帥に大元帥が作戦の説明をしているのだ。

「何か質問は?」

誰も手を上げなかった。

「…よろしい。作戦の説明は以上だ。準備にかかってくれ。」

元帥達は揃って席を立って自分の持ち場に戻った。





「急げ!弾薬は十分に積んでおけ!AIプログラムはまだか!」

ユリスは的確に指揮を下している。それに応える部下の動きも見事に統一されている。するとユリスの携帯が鳴った。

「ユリス、こっちは準備は終わった。そっちはどうだ?」

「人員輸送艦は揃った。だがまだ無人艦隊の弾薬の積み込みが終わっていない。」

「そうか。グレンの方もあと少しで終わる。今回はお前の輸送艦で作戦区域に移動するからな。信用してるからな。」

「あぁ。任せてくれ。準備にはもう少しかかる。それまで寝ていてくれて構わんぞ。」

「…あぁ、そうさせて貰おう。」

それで憲蔵は電話を切った。ユリスは携帯を懐にしまった。

「弾薬の積み込みを急げ!」

ユリスは一際大きな声で指示を出した。







「…まぁ、心配はいらんようだな。」

憲蔵は携帯を懐にしまった。

「しかし、本気で寝るわけにはいかんからな…他の師団は各地の重要拠点の防衛に当たっているからな…まさか電話するわけにはいかんな…」憲蔵は椅子に背中を預けた。