「…お前も変わらないな。」

「…そうですか?」

「お前は入隊した頃から全てを見透かした様な物言いだった。」

「それは…多分、ソロモンの影響でしょうね。」

「だが戦場のお前は全くの別人のようだったがな。」

「敵からは死神とまで呼ばれていたぐらいだからな。私も戦場で会いたくは無かったからな。」

「それは私の方ですよ。皆さんあの頃は凄かったですからね。」

「…そうだな…ユリスは女王と呼ばれていたしな。」

「あぁ…私は不本意だったのだがな。」

「そうだったのか?」

「当たり前だ。」

「俺はピッタリだと思ったがな。」

「…殴られたいのか?」
「…まぁ、少なくともお前の相方はそうだろ?」

「相方…ティターニアですか…」

「…確かにそうだが…何も私までそう呼ぶことは無いだろう。」

「まぁ、仕方ないだろう。」

「…はぁ…私はもう行くぞ。」

「あぁ。じゃあな。」

「それでは…」

ユリスは途中の廊下を二人と別れて歩いて行った。

「…ティターニア…確か妖精の女王でしたよね。」

「あぁ。妖精女王ティターニア。烈風、氷河、紫電の三属性を操る最強の妖精だ。それにユリスのずば抜けた指揮能力との相性も良い。部下のプレイヤーのほとんどが妖精のプレイヤーだと言うのも大きいだろうな。」

「ユリスさんは操舵技術の高い人材を積極的に徴用しますからね。元米海軍大佐ですしね。」

「あいつは元帥の中でもかなりの経歴の持ち主だからな。」

「確か、紫閃大隊除隊後はSAS、グリーンベレ―等世界各地の特殊部隊に在籍し、その戦場全てで高い実績を誇り、数年の間傭兵として世界の紛争地域を渡り歩き、最終的にアメリカの軍人学校で戦闘技術士官として落ち着いた…」

「それに勲章も何度も授与されている。作戦指揮を担当していた時期もあるからな。」