魔天戦史

「…守る、か…」

「俺達が、守らなければならないんだ…この世界を…そこに住む人々を…」

「…そうですね…」

「…言われるまでも無い。」

「…ふん…」

「…今、この碑に俺達は誓おう…世界の守り手となることを…」

憲蔵は碑に手を当てた。三人も同じように手を当てた。

「今ここに、紫閃大隊の再建を宣言する。俺達と、新たな力で世界を守るために。」

「はい。」

「あぁ。」

「…分かった。」

三人はそれぞれ答えた。

「…新たな力というのは、やはり彼か?」

聞いたのはユリスだ。
「勇翔だけじゃない。他にもいる。悠里もいるしな。」

「あぁ、彼女もいるのか…また、肩を並べて戦えるのだな…」

「…あぁ。死神、鬼神、女王、迅雷、女神…この称号は子供には重いだろうが、託すしか無い…」

「…やはり、英雄王の名は継がせないのか…?」

「…仕方ないだろう。」
「…そうか…」

「…そろそろ上に戻るか。」

憲蔵は腕時計を見ながら言った。

「あまり長く開けているわけにもいかないしな。」

「そうだな。」

四人は一緒にエレベーターに乗って上に戻った。

「今回の作戦はかなり大掛かりな物になるだろう。だが、失敗するわけにはいかない。俺達が失敗すれば、それは世界の破滅を意味する。」

「はい。」

「分かってるさ。」

「今更そんな下らないことを言うのか?」

「…そうだな。」

「…憲蔵。テメェは気負いし過ぎだ。たかが人間一人で出来ることは知れてる。」

そこでエレベーターが止まった。グレンは先に出た。

「…だから、仲間がいるんだろうがよ。」

グレンはそう言ってさっさと行ってしまった。

「…相変わらず、素直じゃないな。」

「…そうだな。」

「でも、グレンさんらしいですね。」