「では、拾蔵様はどの様に考えているのですか?」

「…君は、ただあるがままに戦っておるだけじゃよ。それではアマテラスの真の力は引き出せぬ…」

「やはり、私は力不足なのでしょうか。」

「今のままではの…京介、お前もじゃ。」

「俺、ですか…」

「お前も自分の聖霊の本質を見抜けておらん。今のままでは何も守れないまま死ぬのが関の山じゃな。」

「……」

「勇翔君もじゃな。」

「は、はい!」

勇翔は箸を置いた。

「君は、一番聖霊の本質を理解しておるが、まだそれでは足りぬな…君は、バロンの能力を守るための力だと思っておるようじゃな。」

「はい。バロンからも、そう聞きましたから…」

「ふむ…では君は守るための力とは一体どのような力か本当に理解しておるのかな?」

「それは…」

勇翔はそこで言葉に詰まってしまった。

「…やはり十代の若者には重すぎるようじゃな。守るために戦うというのは、ただ戦うよりも遥かに難しい。バロンはそれを君に課したのじゃ。」

「……」

「言うより、体感した方が早そうじゃな。明日、三人とも中庭に来なさい。儂が稽古をつけてやろう。」

「…お祖父さま自ら、ですか…?」

「彰奈さんは心配なさるな。ちゃんと手加減するつもりじゃからの。」

それが蓮の闘志に火を付けた。

「…分かりました。」

「お、おい蓮…」

「あの炎皇直々に稽古をつけて下さるのですから、お受けしない方が失礼だと思いますが。」

「それはそうだが…」

「大人の言うことは聞くものじゃ。」

「…分かりました。」

「うむ。なら明日の朝九時に中庭に来なさい。」

拾蔵は席を立った。

「あらお祖父さま、もう宜しいんですか?」
「あぁ。明日のために早く休むことにする。三人とも、早く休むことじゃ。」

拾蔵は行ってしまった。