「…元々四帝とは儂を含む四神のプレイヤー達のことを差すものじゃった。しかしそれがいつからか最も強力なプレイヤー四人を差すものとなったのじゃ。まぁ、自然な流れじゃろうて…」

「そうなんですか。じゃあ、大元帥はまさか…」

「察しがいいの…そう。国連統合軍の初代大元帥は、麒麟(きりん)のプレイヤーじゃった…」

「…やっぱり…」

「その次の大元帥は、黄龍(こうりゅう)のプレイヤーじゃった…そして今の大元帥が三代目じゃよ。あいつの聖霊が何かは、儂も知らぬがの…」

「そうですか…」

「…今の大元帥は、明らかにされていない部分が多すぎる…」

「…え…」

拾蔵の顔色が少し変わった。

「あやつは、一応先代の息子ということになっておるが、それすらも本当かどうか…」

「どうしてですか?」

「…先代には、息子はおろか娘すらおらぬからじゃよ。」

「そんな…じゃあ、大元帥様は…」

「…まぁ、養子ということもあるがの。今は何とも言えん。じゃが、気をつけることじゃ…何かあれば、家に来なさい。」

「は、はい。ありがとうございます。」

「うむ。それで良い。」
そこに誰かが襖の外に来た。

「先代様…ご夕食の準備が整いました。」

「もうそんな時間か…分かった、今行く。さぁ、行こうか、勇翔君。」

「あ、はい。」

二人は部屋を出て居間に向かった。居間には机の上に豪華な夕食が並べられていた。京介達も席に着いている。
「!勇翔、お前今までどこに居たんだ!探したんだぞ。」

「あ…す、すいません!」

「これ京介。そう目くじらを立てることもあるまいて。勇翔君は儂の部屋におったんじゃよ。」

「お祖父様…の部屋にですか?」

「あぁ。少し話をな。」
「…やはり、ご自分でお話しになりましたか。」