三人は部屋を出てすぐのエレベーターで地下に移動した。エレベーターを出ると広間に出た。

「国連統合軍専用地下闘技場…ここなら誰も文句は言うまい…行くぞ…!」

「えぇ…雷帝の研究には丁度いいでしょうねェ…」

ガリスは持っていた杖から柄を引き抜いた。その先には白銀に輝く刃が付いていた。二人はどちらからでも無く同時に相手に突っ込んだ。





「…これは…!?」

勇翔は崇史の執務室でモニターを眺めていた。するとそこには憲蔵とガリスが決闘している姿が映っていた。

「これは…地下闘技場だね。」

「地下闘技場…?」

「本部の地下にある大広間だよ。核シェルターとしても機能するほど強度が高いから、たまにこういうことにも使われるんだ。」

「…でも、なんであの二人が…」

「…ガリス様の真意は分からないけど、多分憲蔵さんは君のために決闘しているんじゃないかな?」

「…僕のため…?」

「そう。君はもう正式な第一師団の団員なんだ。つまり、君はれっきとした憲蔵さんの部下なんだよ。」

「…だからって…なんで…」

「…あの人は、そういう人だよ。何があろうと部下を守る。本当なら、部下が憲蔵さんを守らなければならないのにね…」

「……」

「…自分の部下が侮辱されたのがよほど頭に来たんだろうね。」

「…」

ふと目を向けたモニターから不意に違和感を勇翔は感じた。

「…あれ…」

「どうかしたかい?」

「あ、いえ…なんかガリスさんの様子がさっきと違うような…」

「あぁ。あの方は普段はあれだけど武器を握ると性格が変わるんだよ。それこそ、別人のようにね。」

「…そうなんですか…」
そのままモニターを眺めていると不意に崇史が溜め息を漏らした。
「どうかしたんですか?」