外にいた生徒達が全員中に入ったのを確認して、教員らしい二人が入り口を閉めた。生徒はあらゆる年齢の生徒がいるようだ。すると前の舞台に一人の男が上がって来た。男は教卓の前まで来て足を止めた。
「私は、本校の学園長の冨山崇史と言う。宜しく、生徒の諸君。さて、君達は本校の設立最初の生徒達だ。よって、今から本校の教育課程について説明しておこう。君達は、プレイヤーと呼ばれる存在を知ってるかな?」
学園長の言葉に生徒達の間に戸惑いの声が走った。
「まぁ、知らない人間はそうは居ないだろうとは思う。だが、果たして君達の中の一体何人が、プレイヤーの事を熟知しているだろうか。おそらくかなり少ないだろうね。一般人の大半は、プレイヤーのことを特殊な能力を使う超能力者の様に思っているだろう。それは間違いではない。でも当たりでもない。」学園長の的を射ない発言に生徒の間に動揺が走った。
「プレイヤーとは、一般に向けられた呼称に過ぎない。正確には『聖霊行使執行人』呼ばれる。まぁ、今はどこの組織もプレイヤーと呼ぶがね。プレイヤーはこことは別の次元に存在する異界と呼ばれる世界から、聖霊と呼ばれる存在を召喚し、その力を使役する人間のことだ。プレイヤーには二種類ある。一つは、プレイヤー自身に聖霊を降ろしてその力を使う『降霊』。おそらく最も数が多いだろう。もう一つは、聖霊自体をこの世界に呼び出す『召喚』。これは実に数が少ない。降霊はプレイヤー自身の身体能力を問われるが、変わりにプレイヤー自身の身体能力が高ければ高い程戦力になる。変わって召喚は呼び出す聖霊の能力が問われるが、プレイヤーには特に要求されることは無い。それは召喚される聖霊はその大半が高位の聖霊だからだ。本校ではそれに起因して降霊タイプのプレイヤーの育成に力を傾けることになるだろう。降霊タイプのプレイヤーと召喚タイプのプレイヤーは別のカリキュラムを受けて貰うつもりだ。まずは皆入り口で一人ずつ札を貰って貰いたい。そこに書いてあるクラスに行って、暫くはそのクラスで生活を受けて貰うことになる。そこで個人のタイプを判断して、最終的なカリキュラムに移行する。では、入学式はこれで終わりにするとしよう。皆、楽しい学園生活を送ってくれる事を願うよ。」
学園長は舞台から降りた。