勇翔達は長い廊下を歩いていた。すると突然前を歩いていた大元帥が勇翔に話し掛けた。
｢そういえば、君の属性をまだ聞いて無かったね。｣

｢え…属性、ですか…？｣

｢あぁ。｣

｢…えぇっと…｣

突然の質問に戸惑う勇翔に変わって答えたのは憲蔵だった。

｢こいつはまだ自分の属性は知らないんですよ。｣

｢そうか…君から見て勇翔君は何属性だと思う？｣

｢…私見ですが、恐らく紫電属性だと…｣

｢…ほぉ…何故そう思う？｣

｢あの技…天盤は、雷属性の最強魔法ですが、その習得には紫電属性の習得が出来なければまず無理です。｣

｢ふむ…まぁ、確かにそうだね。｣

｢そうなんですか？｣

｢あぁ。だがお前にはまず雷の基本的な魔法から教え込まないとな。｣

｢はい。お願いします。｣

すると大元帥が扉を開けて部屋に入っていった。中にはもう元帥らしき人達が円卓を囲んで座っていた。

｢やぁ、諸君。遅れて済まなかったね。懐かしい仲間が戻って来たのでね。｣

大元帥は扉からは反対側の椅子に座った。憲蔵達も用意されていた椅子に座った。勇翔は憲蔵の後ろの椅子に座った。

｢ただ今より、元帥会を執行う。｣

大元帥がそう言うと空いていた扉がしまった。

｢まず、第一師団の報告を聞こう。｣

｢はっ。｣

憲蔵は椅子から立ち上がった。

｢現在我が第一師団は目下最大の反国連勢力であるアイザック・シリウス率いる『フォーリン・エンジェルス』の拠点制圧を行っています。確認されている中の十二ヶ所の拠点は制圧完了しています。しかしアイザック達は日本に狙いを絞っている様です。｣

｢ほぅ…｣

｢目的は、恐らく富士山地下の『極焔の宝珠』だと推測されています。｣

｢…そうか…なら日本にはジャッジメントを導入させよう。指揮は君に任せよう。｣

｢はっ。｣

憲蔵は座った。

｢アイザックの下に他の反国連勢力が吸収されているとの報告もあるからね。いずれは、世界を二分する大戦争に発展するだろう。諸君には期待しているよ。｣