「…しかし、流石といったところか。勇翔はもう自分の心を理解している。」
「…流石、ですか?」
「あぁ。お前達には話しておくか…あいつの…勇翔の父親のことだがな…」
「勇翔さんの…?」
「…あいつの父親は、紫閃大隊の創設者にして大隊長、その強さは国連最強の剣士とまで言われた男…その名は、坂原斗耶(とうや)…大元帥を守護する四帝の一人、剣帝と呼ばれた男だ。」
「剣帝…!?その剣に切れないものは無いと言われた、あの…!?」
「そうだ。勇翔はその剣帝の血を色濃く受け継いだ男だ。そして幼い頃から斗耶に剣を習っている。」
「…剣帝の剣術…一体、どんな…」
「…流派、孔峰(こうほう)流武闘術…四帝のみならず、元帥全員が皆伝している流派だ。その教えは実に多様でな。あらゆる戦闘術を習得できる数少ない流派だ。俺は孔峰流拳闘術…アルバーヌは孔峰流細剣術…斗耶は流派の全てを皆伝したただ一人の男だ。」
「全てって…!?そんなことが、可能なんですか?」
「少なくともあいつにはそれが出来た。孔峰流は全百八つの戦闘術からなる。それは百八宿にちなんでいるが、その内容は実に様々だ。本来流派を学ぼうとするものは、自分に合った戦闘術を皆伝して終わりだが、斗耶は全てを皆伝してしまった…それも、あいつを最強と言わしめる所以だ。あいつは、どんな状況からでも味方を勝利に導く力がある。」
「どんなって…」
「…例えば、四方を百万の敵に囲まれて味方はいない。援軍も期待出来ない…そんな状況で、お前は逆転できるか?」
「…冗談でしょう…?」
「…まぁ、実際には報告があってから三時間ほど後に援軍が到着したがな。」
「そりゃ、援軍も無しにそんなこと出来やしませんよ。」
「でも、良く三時間も持ちましたね。」
「…持ったのではない…」
「…え…?」
「…殲滅していたんだよ。我々が到着した時はもう…数百万の死骸の山と、その上に立つ斗耶しかいなかった…握っていた剣は、元の色が分からなくなるほど赤黒く染まっていた…」
「…そんなことが…人間に可能なんですか…?」
「…さぁな…しかし、あいつは三年前の太平洋沖海戦が終わった後、忽然と姿を消してしまった…」
「…流石、ですか?」
「あぁ。お前達には話しておくか…あいつの…勇翔の父親のことだがな…」
「勇翔さんの…?」
「…あいつの父親は、紫閃大隊の創設者にして大隊長、その強さは国連最強の剣士とまで言われた男…その名は、坂原斗耶(とうや)…大元帥を守護する四帝の一人、剣帝と呼ばれた男だ。」
「剣帝…!?その剣に切れないものは無いと言われた、あの…!?」
「そうだ。勇翔はその剣帝の血を色濃く受け継いだ男だ。そして幼い頃から斗耶に剣を習っている。」
「…剣帝の剣術…一体、どんな…」
「…流派、孔峰(こうほう)流武闘術…四帝のみならず、元帥全員が皆伝している流派だ。その教えは実に多様でな。あらゆる戦闘術を習得できる数少ない流派だ。俺は孔峰流拳闘術…アルバーヌは孔峰流細剣術…斗耶は流派の全てを皆伝したただ一人の男だ。」
「全てって…!?そんなことが、可能なんですか?」
「少なくともあいつにはそれが出来た。孔峰流は全百八つの戦闘術からなる。それは百八宿にちなんでいるが、その内容は実に様々だ。本来流派を学ぼうとするものは、自分に合った戦闘術を皆伝して終わりだが、斗耶は全てを皆伝してしまった…それも、あいつを最強と言わしめる所以だ。あいつは、どんな状況からでも味方を勝利に導く力がある。」
「どんなって…」
「…例えば、四方を百万の敵に囲まれて味方はいない。援軍も期待出来ない…そんな状況で、お前は逆転できるか?」
「…冗談でしょう…?」
「…まぁ、実際には報告があってから三時間ほど後に援軍が到着したがな。」
「そりゃ、援軍も無しにそんなこと出来やしませんよ。」
「でも、良く三時間も持ちましたね。」
「…持ったのではない…」
「…え…?」
「…殲滅していたんだよ。我々が到着した時はもう…数百万の死骸の山と、その上に立つ斗耶しかいなかった…握っていた剣は、元の色が分からなくなるほど赤黒く染まっていた…」
「…そんなことが…人間に可能なんですか…?」
「…さぁな…しかし、あいつは三年前の太平洋沖海戦が終わった後、忽然と姿を消してしまった…」

