「来れ、ブリュンヒルデ!!」
「!?」
レオンがブルー・ホースを呼び出したかと思うと、今度はシルヴィアが降霊させた。
「……風の戦女神、ブリュンヒルデ…!」
降霊させたシルヴィアは、長い金髪が光り輝き、体には緑色の鎧を纏い、右手には大振りの槍を握っている。
「…見せて欲しいものね…最悪の陸戦と言われた欧州戦争を戦い抜いた力を……」
シルヴィアとレオンは武器を構えた。
「……やれやれ…」
アイザックも翼を広げて構えた。
「……勇翔君…」
勇翔は緋凰と対面していた。どちらもまだ動かないが、いつ火花が散ってもおかしくなかった。
「……退いては、貰えませんか…?」
「………何…?」
緋凰はあまりに突拍子もない勇翔の言葉に唖然としてしまった。
「………は……ははは……」
緋凰は耐え切れずに笑ってしまった。勇翔は自分が何かしたのかと思い、戸惑ったが、すぐに緋凰が話を続けた。
「はぁ……いや、すまんな。この状況でそんなことを言われるとは思っていなかったのでな……全く、君達親子は…………そんな君達が、なぜ統合軍を裏切る様な真似を……」
「………許して貰えるとは思ってません……でも、今はまだ…」
「…あぁ……そうだろうとも…だからこそ、私がここまで出張って来たのだからな……!!」
緋凰は剣を振るって炎の龍を勇翔に向けて放った。龍は勇翔を直撃して爆発した。
「………ほう…あれを防ぐか…」
爆発であがった土煙の中から、青龍に守られた勇翔が姿を表した。

