「……緋凰様は、勇翔君に任せましょう。僕は、レオンの相手をします。斗耶さんは、レッドドラゴンで空中戦艦に退避して下さい」
「……すまん…」
斗耶はレッドドラゴンを召喚して、その背に跨がり空中戦艦に飛んで行った。アイザックはゆっくりとレオンに近付いた。
「…アイザック・シリウス……!!」
「……こうして直接会うのは初めてかな…噂は聞いていたよ、特務隊長殿?……それに……」
アイザックが言葉を切るのとほぼ同時に、アイザックの背後に誰かが立っていた。
「……シルヴィア・ライネンブルク隊長……」
それは、腰まで伸びた金髪に碧眼の女性だった。
「…久し振りね、アイザック・シリウス……欧州戦争以来かしら?」
「……やれやれ、特務隊長二人か……少し、骨が折れそうだ…」
アイザックは一気に霊力を高めた。
「……来い…ルシファー……!!」
アイザックは、ルシファーを降霊させた。純白のスーツは光輝き、その背中からは、三対6枚の純白の翼が生えている。
「……堕天王、ルシファー……これ程の霊力とは…だが……!!」
レオンは立ち上がって剣を構えた。
「来れ、タナトス!!」
レオンはタナトスを降霊させた。周囲に浮かぶ四つの棺が揺れている。そしてレオンは、懐から青い珠のはめられた指輪を取り出して、左手の中指に付けた。
「……来い、ブルー・ホース…!!」
レオンが指輪に霊力を込めて名前を呼んだ。すると青い珠が輝き、その光が徐々に大柄の馬へと姿を変えていった。光が収まり、馬は嘶き声を上げた。
「ブルー・ホース……そんなものまで…」

