「…厄介なものが来たな……あれも、お前の差し金か?」
緋凰は剣を突き付けながら聞いた。
「……あれは、貴方も良く知る男のものですよ……」
「……空中戦艦…なるほど、ヘンリーか…」
「俺もまだ、倒れる訳には行かないということです……!!」
「ッ!?」
斗耶は渾身の一撃を緋凰に見舞った。剣で受けた緋凰は耐え切れずに吹き飛ばされた。だが、その背後からレオンが切りかかった。
「ぐっ……!!」
斗耶は反応しようとしたが、脇腹の傷の痛みに反応が遅れてしまった。
「しま……ッ!?」
「ハァァッ!!」
しかし、レオンの剣は突然現われた男に防がれた。
「…アイザック・シリウス……!?」
「ハッ!!」
アイザックは空いている右手に霊力を圧縮してレオンに叩き付けた。レオンはかなりの距離を吹き飛ばされた。
「…大丈夫ですか、斗耶さん?」
「少し、油断してしまってな……暫くは満足には戦えそうにない……」
「……では、代わりに彼が……」
「……彼…?」
斗耶はふと空中戦艦を見上げた。すると、戦艦から青く光る何かが飛び出したのが見えた。その光は凄まじい速さで斗耶達のところに接近し、それが人だと分かった次の瞬間には、斗耶の目の前に着地した。
「……勇翔…」
「大丈夫、父さん…?」
勇翔は既にバロンを降下霊させ、雷王剣を展開し、光翔剣を抜いている。
「……緋凰様………」
「…勇翔君……いや、もはや何も言うまい…だが、私も大義の為に戦っているのでな……手加減はしない……」
二人は静かに武器を構え、同時に相手に目掛けて駆け出した。

