「ダァァッ!!」
「はぁッ!!」
勇翔が振るった剣に、斗耶が剣を振るって応戦した。二人の剣が打ち合うと、その度に強烈な霊気の爆風が吹き荒れた。アイリス達は、その爆風に吹き飛ばされない様に防御しているのが精一杯だった。
「ぐ……ッ!?」
「……流石、剣帝とその息子ね…聖剣の中の聖剣と言われる聖剣『エクスカリバー』…そして、初代大元帥が携えていた神器『光翔剣』……いくら光翔剣とはいえ、実力が伴わなければ、まともに打ち合えるものでは無いわ………まして、相手は剣帝…統合軍始まって以来の天才…いえ、悪魔とさえ呼ぶ者がいるほどの人よ………」
「……悪魔の息子もまた悪魔、か…」
三人が驚愕しながら二人の戦いを見ていた。その視線の先では、斗耶と勇翔が戦い続けている。
まさに、悪魔どうしの戦いのような壮絶さで………
「……この霊気は……!?」
斗耶と勇翔が戦っている遥か遠く……統合軍の執務室で、大元帥が戦いの波動を感じていた。
「………まさか、シヴァが目覚めたのか……?」
大元帥はおもむろに立ち上がって何処かへと歩き出した。大元帥がエレベーターで地下の更に奥深く……『始まりの樹』がある部屋に降りて来た。
「………素晴らしい……!!」
それまで何の反応も示さず、大元帥の接触すらも拒んでいた始まりの樹が…その時ばかりは、何かに惹かれる様にざわつき、淡く発光していた。その姿はまるで、生きているかの様な姿だ。

