「…了解しました。ならば、兵力も揃えておきましょうか?」

「いや、アルバーヌはフォーラム公国に掛け合って、軍備の増強を進言してくれ。客紹騎士のお前なら元老院も動かせるだろ?」

「分かりました。準備が調い次第、連絡いたします。」

「あぁ、頼むぞ。俺は日本のプレイヤー達に声を掛けよう。」

「日本に、そんな勢力が存在するのですか?初耳ですね。」

「有名どころでは伊勢神宮の巫女達だな。後は平将門の首塚を守る[塚守り]達もいるしな。探せば案外居るものだ。」

「そうですか。では私も道中立ち寄って戦力を集めておきます。」

「あぁ。そうしてくれ。」

「では、私はこれで失礼します。まさか、助太刀に来てすぐにまた別の仕事を始める事になるとは…」

「済まないな。無理を言って。」

「いえ。また貴方と共に戦えて嬉しいですよ。それでは…」

アルバーヌは静かに部屋を出て行った。

「…さて、そろそろ降りて来たらどうだ?」

憲蔵がそういうと天井が切り裂かれて二つの人影が降って来た。

「…貴女達は…!?」

「久し振りだね、崇史。それに、憲蔵。」

「朱翅に菊翅、か。姉妹揃って現われるとはな。さっきの話も、聞いていたんだろう?」

「やはり気付いていたか。流石だな、雷帝。あぁ、勿論聞いていたさ。」

「ならば話は早い。紫閃大隊の複隊予定者のリストには、お前達の名前も載っている。複隊してくれんか?」

「…私達は、もう軍には戻らないと決めたんだ。」

「…そうか…なら、実力で従わせるしか無い様だな。来い。」

二人は憲蔵の後について行った。崇史も後を追った。四人は学園の敷地のはずれの森の中に来た。

「ここで戦うのかい?」
「いや…回りに迷惑は掛けられないからな。結界を張らせて貰おう…」

「!?しまっ…!?」

二人が反応するより速く、憲蔵は結界を発動させた。

「霊壁、発動!」

憲蔵が放った霊気は憲蔵を中心にして広がった。

「しまった…!?」

「これで、回りに迷惑をかけることはあるまい。さぁ、始めようか。」

憲蔵は右手を空に突き出した。