「8年前に、中東一帯の武装勢力を蜂起させて、EU諸国に大打撃を与えた、あの……!?」
「あぁ……あれもサマエルの仕業だったか……だがな、須山大佐」
「……?はい…?」
「……君の為にも言っておくが、カリアには……いや、サマエルには手を出さないことだ」
「!?…な、なぜですか……!?」
「……現状で、単騎でルシファーに匹敵する数少ない聖霊だからだ……」
「……な、にを……?」
「毒ありし光輝の者、サマエル……その背には、ルシファーと同じ6対の翼を持つと言われ、堕天使とも楽園の蛇とも呼ばれる存在……その力は、神の毒と称される凶悪な力だ………」
「……神の、毒……?」
「詳しいことは私も知らぬ。だが、サマエルはその力故に、天上においてミカエル以外でルシファーを罰することの出来る唯一の存在………その力は、Sランクを遥かに超えているとも言われている……迂闊に手を出せば、いくらウリエルのプレイヤーといえども、ただではすまんぞ?」
「………分かりました…では、もう行きましょう」
「……あぁ…」
二人はカリアのことが多少気になったが、縣犂を信じて、学園から立ち去った。
「………何の用だ、カリア?」
「…貴方もか……ホントに、元帥達は反応が面白く無いなぁ……」
「テメェの下らない趣味に付き合ってやる義理もないからな。で、テメェは一体何の用だ?」
「……武器を作ってるんだって?縣犂様…?」
「……テメェ、どっからそんなことを……」
「フフフ………僕を甘く見ないで欲しいなぁ……?」

