学園長達と男は揃って学園長室に来ていた。
「…まさか、貴方がいらっしゃるとは…」

「ご迷惑でしたか?」

「とんでもない。歓迎しますよ。まさか、雷帝に次いで天帝まで来て下さるなんて…」

その一言に全員がざわついた。

「天帝…!?この方が…!?」

声をあげたのは京介だった。

「そう。この方こそは、国連統合軍の大元帥を守護する、最強の四帝のお一人。天帝こと、クローム・アルバーヌ卿さ。」

「クローム・アルバーヌ卿…!?フォーラム公国の客紹騎士の…!?」

「良くご存じですね。貴女は…」

「逢原蓮と申します。お会い出来て光栄です。アルバーヌ卿。」

「えぇ。他の方は、いずれ覚えられる様に努力致します。憲蔵様はもういらしてるんですか?」

「はい。今、呼んで…」
「その必要は無い。」

突然の声に振り返るとドアのところに憲蔵が立っていた。

「父様…!」

京介の反応にクロームは素早く反応した。

「父様ということは…」
「あぁ。そいつは俺の息子だ。久し振りだな、クローム。前に会ったのは、確か大西洋海戦だったか。」

「そうでしたね。あれから、三年経ちましたか…時が経つのは、速いものですね。」

「そうだな…あの時は、全軍の約半数が出撃する大戦争だった。良く生き残れたものだ。今でも不思議なくらいだ。」

「そうですね。大元帥自ら指揮を執られましたから。」

「…何はともあれ、良く来てくれた。」

「私と貴方で、四帝の半分が揃いましたね。後の二人は、どうしましたか?」

「あいつらは勝手に来るだろう。それにしばらくは俺達だけでこと足りる。あれは、数十万の悪魔の命を動力にして動く地獄の機動兵器だ。恐らく降魔の剣を使ったんだろう。」

「降魔の剣が、敵の手に…!?」

「事実だ。俺達は降魔の剣を持った男に出会った。かなりの手練れだった。」

「憲蔵様でも危うい相手だったのですか?」

「あぁ。あれは間違い無く特A以上の力があった。」

「…そうですか…なら、黄金の剣を持って来て正解でしたね。」

「あぁ。ミカエルの全ての武器に打ち克つ最強の剣…心強い味方が現れてくれたな。」