「…そんな…」

すると不意に二人は異様な気配を感じた。

「…父様…これは…」

憲蔵は突然壁にあったタイルを剥してその奥のレバーを引いた。すると学園中にブザーの様な音が鳴り響いた。
「京介、お前もう戦えるな?」

「は、はい!」

「よし、ならお前は学園長室に行け。話は学園長から聞け。蓮も連れて行けよ。」

「父様は、どうなさるんですか?」

「俺は生徒を避難させる。いいな?」

「は、はい!」

京介は蓮を連れて体育館を出て行った。

「頼んだぞ…お前ら!非常事態だ!今から地下の核シェルターに行くぞ!ついて来い!」

生徒達は憲蔵の後について行った。





京介と蓮は学園長室に来ていた。

「学園長!いらっしゃいますか!?」

すると中から返事がした。

「あぁ。入っていいよ。」

「失礼します。学園長、父様から、俺と蓮は学園長のところに行けと言われまして…これは、一体何ですか?」

「…君達も何か感じたんじゃないのかな?」

「…俺は、異様な気配を感じましたが…」

「私もです。」

「…私も今し方確認したんだけどね。今学園に、巨大な物体が接近している。」

「巨大な物体…?」

「目標は間違い無くこの学園だ。今街に非常用結界の発動準備をさせている。それまでは、何としても街に近付けてはならない。私達はその物体の迎撃に行く。」

「迎撃…!?」

「そう。だからいま数人の教員に生徒を地下の核シェルターに避難させて貰ってる。それが終わってから何人かを残して迎撃に加わって貰うことになってる。君達も来るかい?」

二人は揃って頷いた。三人は校庭に行った。そこには既に何人かの教員が集まっていた。その中には真藤の姿もある。

「皆、話は聞いているね?直ぐに迎撃に向かう。総員、聖霊の行使を許可する!」

すると全員が右手を空に突き出した。

「来れ、オーディン!神の国を治めし神々の主よ!」

京介が叫ぶと空から黄金に輝く稲妻が落ちた。京介の髪は眩しい金髪になり、瞳は済んだ碧眼になっていた。
蓮や学園長達も自分の聖霊を降霊させた。

「よし、行こう。」
全員、学園長の号令と同時に空に飛び立った。