「……貴方達は?」
学園長に聞かれて、メタトロンが前に進み出た。
「我々は、フォーラム公国公王家直属の親衛騎士団です。私は、筆頭騎士のメタトロンと申します、富山崇史元帥殿」
「…公王家直属の親衛騎士団……では、公王様も日本にいらっしゃるのですか?」
「極秘ですが、おられます。今は、師紀邸に宿泊しておられます」
「そうだったんですか………」
学園長達が話していると、次第に生徒達が窓から身を乗り出して勇翔達に注視していた。
「………取り敢えず、学園長室に行きましょうか」
「……そうしましょうか」
「勇翔君も一緒に来なさい」
「はい」
勇翔達は学園長室に移動した。メタトロン以外の騎士団員達はとなりの応接室に通された。
「………それで、公王様は一体何のご用で日本に?」
「最初は、部下が日本を観光したいと言ったのを、公王様がご自身も行くとおっしゃりまして……護衛のために我々も来日し、案内のために勇翔君にも一緒に来て戴きました」
「……なるほど…それで、この学園に来たという訳か」
「他に案内する様な名所も知らなくて……それで、学園に来たんですけど……」
「謎の集団に襲われた、と……何者なのだろうか……」
「あの剣の根元には、女の首と剣の紋章が刻まれていました……あれは、『デュラハン』の紋章だったはず……」
「……デュラハン、ですか…」
「デュラハンは、国際的に活動していながら、一切その組織内容が判明していない秘密組織…分かっていることと言えば、『クイーンオブハート』と『ハートの欠片』と呼ばれるモノを探しているとしか……その二つが、神器なのか何なのかすらも分かっていません………」

