「……そこまで分かるものですか……いや、流石は炎皇とそのお仲間だ。到底私には想像だに出来ない域までお考えになっておられる……」


「いやはや、公王殿にそう言って戴けるとはのぉ……幸福の極みじゃよ…さて、本題に戻ろうかのぉ。儂は、その単独犯の軌跡を独自にある人物に調査を依頼しておった。その人物によると、単独犯は九州から徐々に北上しておることから、この付近におるのは、長く見積もっても後数日……それまでに、何としても単独犯を捕獲しなければなるまい……故に、儂は彼を呼んだ……」


「……彼……?」


疑問符を浮かべる拾蔵以外の四人に応える様に、誰かが部屋の襖を開けた。



「……私のことだ…なぜ公王殿がこちらにおられる?」


それは、緋凰久尚だった。後ろには一人の女性と二人の男性が控えている。



「まぁ、いろいろあってのぉ……さぁ、座ってくれ。後ろの三人は……」


「あぁ、紹介しよう。彼等は、煌狼衆の幹部達だ。三人共高位のプレイヤーでもある。女は、桐島綾香。男は、高宮新司と井坂幸樹だ。順に、白面金毛九尾の妖狐、酒呑童子、そして大天狗のプレイヤーだ」


「ほぉ、まさか三大悪妖怪のプレイヤーが煌狼衆の幹部だったとはのぉ……」


「彼等の力を借りて、連続通り魔の捕獲を行なう。ついては、この街の地理を彼等に教えてやって欲しい」


「ふむ、良かろう。では、家のものに案内させよう……この街は、我々の手で守る価値のあるものじゃ。皆、よろしく頼む」


拾蔵のその言葉に、皆が静かに頷いた。