「…さて、それじゃぁクラスにご案内いたしますよ。真藤は、事務に戻っていいよ。」

「了解しました。」

真藤は部屋を出て行った。

「蓮君は一緒に行こう。」

「「分かりました。」

学園長と蓮と憲蔵は一緒にクラスに戻った。




「…先生、遅いですね…蓮さんも戻りませんし…」

勇翔と晶は心配そうにしている。

「あぁ。何かあったのかもしれないな…」

「何かっていうと、例えば…」

「…まさかとは思うが…戦闘があったのかもしれない…」

するとクラスの前のドアが開いた。入って来たのは学園長と、皆の知らない男だった。二人は教卓の前に来て皆を見渡した。

「学園長…須山先生はどうしたんですか?」
声を発したのは勇翔だった。

「あぁ…須山先生は、事情で学園を暫く離れる事になりました。その代理ということで、こちらの師紀憲蔵先生がこれからの授業を担当してくれます。では、自己紹介をお願いします。」

「あぁ。」

憲蔵は学園長と入れ替わって前に立った。

「今学園長がおっしゃったが、俺の名前は師紀憲蔵。属性は雷の上級属性の紫電属性だ。前任の須山先生に変わり、これからこのクラスを受け持つことになった。宜しくな。」

すると自然と生徒から拍手が上がった。

「では、私はこれで…」
「あぁ。ご苦労だったな。」

「皆、憲蔵先生と仲良くね。」

学園長はそう言い残して立ち去った。

「…さて、このクラスは…あぁ、属性の話はしたんだな。なら、ずっと話ばかりでもつまらないだろうからな。実戦の方がいいか。よし、体育館に行くぞ。付いて来い。」

憲蔵は生徒を並べずにさっさと行った。勇翔は京介に話し掛けた。
「あの先生、優しそうですね、京介さん。」
しかし京介は答えなかった。

「…京介さん…?」

「…!?あ、あぁ、そうだな…」

「…どうか、したんですか?」

「いや…大丈夫だ。悪い。」

京介は先に歩いて行った。