少ししてから、部屋に三人の男性と一人の女性が入って来た。


「良く来たのぉ。まぁ、適当に座ってくれ」

拾蔵に促されるままに四人は思い思いに座った。


「紹介しよう、彼はフォーラム公国の公王殿じゃ。失礼の無い様にな」


拾蔵の紹介を聞いて四人は目を見張ったが、それ以外の反応はしなかった。


「では、次に彼等を紹介しよう。儂の右から、東郷会組長、神楽龍三郎じゃ」


紹介されたのは、着物を羽織った白髪の老人だ。

「次が、桐生組組長、矢神耕助」


次に紹介されたのは、黒いスーツの男だ。


「次が、颯風会会長、島崎嘉代子」


次は、四人の中で唯一の女性だ。

「最後が、萩山組組長、守川千草」


最後に紹介されたのは、三人の中で一番若く見える、スーツに眼鏡の男だ。


「彼等は、儂と共に東日本の極道を纏める五大極道の代表者達じゃ。その道の者は、『五大老』等と呼んだりもするがの」


「僕は、組長代理として参っているだけですよ。五大老だなんて、とても……」




「何を言う、守川。君もれっきとした五大老の一人じゃよ。」


「ここにいるのだって、次期組長候補だからいるんだろう?」


「し、島崎会長…それは……」


「ほっほっほ……若いとは良いのぉ……守川よ、お前にも五大老としての責務がある。当代の組長が病に伏している今、後継者たるお主がその責務を果たさねばならない……ゆめゆめ、忘れるでないぞ?」


「……敵いませんね、神楽組長には……」


「それは良いが、そろそろ本題に入らないか?」


「ん、そうじゃな。では、矢神から話して貰おうかのぉ」


「……うちのシマでも、もう被害者が出ている。重傷を負った奴もいる……」