大人二人の話にどう入って良いか分からずに困っていた勇翔だったが、そこに公王の親衛騎士団がやって来た。

「……公王様……早く……」


「ん?あぁ、そうだったな……しかし、私はもう少し炎皇と話があるから………勇翔君」

「は、はい?」



「彼らにこの辺りを案内して貰えないかな?」


「え、でも……公王様は……」


「私は、炎皇と話があるから、この邸宅からは出ないよ。だから、頼みたいのだが……」


「……えっと…皆さんは、それで良いですか?」


勇翔は親衛騎士団一人一人の顔を見たが、誰も異義は唱えなかった。


「……じゃあ、行きましょうか…」


「あぁ。頼むよ、勇翔君」


勇翔は親衛騎士団を連れて部屋から出て行った。




「……わざわざ、彼を使ってまで会いに来なくとも良いかと思うのだが………」


「早急にご相談したい案件がございまして……あまり表立って動く訳にもいかなかったものですから……」


「……ふむ…まぁ、一国の主があまり動き回るべきでは無いからのぉ……それで、案件とは?」


「……アリスタン社が、何やら不穏な動向を見せています。今までにも何度かありましたが、特にここ最近は目に余る様になって来ています。恐らくは、謀反でも企てているのかと思うのですが……」


「……そうか……遂に動き出したか、オレイン・アリスタン………だが、アリスタン社のバックには、アイザック・シリウスがいるのは間違い無い……下手には動けんのぉ……」

「……今は、様子見といったところだろうか……」


「そうなるのぉ……」