「あれが、エンシェント・アーツの力だ…といっても、まだ一部に過ぎないが……」
「す、凄い……あの大群を一撃で飲み込むなんて……」
「……レオン、アルバーヌ……捕縛した敵の尋問を行なう。ついて来い」
「「了解」」
二人は緋凰の後に続いて中に戻った。
勇翔も行こうとしたが、途中でトレーニングルームで待つ様に緋凰から言われて、渋々一人でトレーニングルームに戻った。
捕えた敵は取り調べ室にいるとのことで、三人はそこへ向かった。
着いた時には、他の元帥が何人か集まっていた。
「……集まっている様だな。では、尋問を開始する」
緋凰は他の元帥を伴って中に入った。
レオンは外で記録している。
中には、堂絃が椅子に光の縄で縛り付けられていた。
その両脇には黒天と白夜が立っている。
「……では、これより尋問を開始する……まずは、お前達……アイザック・シリウス率いる勢力の規模を聞こうか」
「そんなもの……迂闊に話すと思うか…?」
予想通り、堂絃は簡単には口を割らない。
「……お前達の目的はなんだ?なぜ国連に歯向かう?」
「歯向かう、だと……?我々は、偉大な統率者の下に集い、大いなる使命と大義の下に行動しているのだ……!貴様らに歯向かう気など、毛頭無い……」
「……ハァ……では、その大義とはなんだ?」
緋凰の何気なく出たその一言に堂絃は薄ら笑いを浮かべた。
「……簡単なことだ……我々は、再び来るであろう、『異界からの侵略者』から、この世界を守る為だ……!!」
その一言に、その場の誰もが氷ついた。
それは、この場の誰もが口に出すのをためらった言葉だった。

