「……何……?」


堂絃は緋凰の言葉を問い質そうとしたが、せ瞬間背後から二本の光の縄で縛り上げられた。



「な、なんだこれは!?」


縄の先を辿ると、それは黒天と白夜が放った縄だった。


既に悪魔の大群は殲滅されていた。


「おのれ……ッ!!貴方は、こんな技は使わなかった筈だ……煌狼衆は、敵対する者は全て滅する……それが煌狼衆の理念だった筈………なのに、貴方は……ッ!!」



「………もう私は煌狼衆とは何の関わりもない…ただ敵を滅するだけでは、世界の安定には至らない……」




「……ふぬけましたな、緋凰久尚……皆が聞いたら、さぞや哀しむでしょうな……だが、貴方は甘い!!」



堂絃はそう言って、霊気を放った。





すると、それに応えるかのように空一面を覆う程の悪魔の大群が現われた。




「貴方には、死んで戴こう……!!」



その声に従い、悪魔達は緋凰に群がった。









「……甘いのは、お前の方だ………」





緋凰はそれだけ言って、手にした倶利伽羅剣を悪魔の大群目掛けて振った。



振られた倶利伽羅剣からは、巨大な黒い炎が舞い上がり、その大きさは悪魔の大群をあっさりと飲み込める程の大きさだった。



「…滅せよ、倶利伽羅剣……!!」


倶利伽羅剣から放たれた黒い炎は、緋凰の言葉に従い、まるで龍の様に悪魔の大群を飲み込み、消滅させてしまった。


その様を間近で見ていた堂絃は、惚けるばかりで口をきけなくなっていた。



「黒天、白夜。連行しろ」


堂絃は黒天と白夜に引っ張られて本部ビルに向かった。

緋凰は勇翔達のいる本部ビルの屋上に舞い戻った。

三人共、惚けて緋凰を見つめていた。