「あら、もう真打なのね………」



「悠里さんが相手ですから…」



「………嬉しいわねぇ……じゃあ、こっちも………」






悠里はそう言って霊力を高めた。




「……来なさい、千手の法具よ!」


悠里の叫びに呼応して悠里の背後に円形に大量の錫杖や金剛杵の様な仏具が現われた。




その一つ一つが強力な霊気を放って、蓮は若干気おされた。


蓮の額に汗が浮かんだ。





「………さぁ、どこからでも良いわよ?」



「……行きますッ!!」


蓮は構えすらとらない悠里に向かって駆け出した。














「………ここかな……?」



勇翔は憲蔵に言われた部屋の前までやって来た。



「………よ、よし。入ろう……!」


勇翔は意を決して自動ドアをくぐった。



中は、東側が一面ガラス張りの、清潔なトレーニングルームだった。


その東側に、ガラス張りの壁を背に、三人の人物が立っていた。



「こ、これは………?」


「やっと来たか、勇翔……」



最初に勇翔に話しかけたのは、レオンだった。



「レ、レオンさん……?」



「待ちわびておったぞ、勇翔…」



次は緋凰だ。


「ひ、緋凰様まで……」


「私もいますよ?」


最後はアルバーヌだ。

「ア、アルバーヌ様も……」


「お前の訓練は我々が勤めさせてもらう。我々は手緩いことはしないからな。覚悟して訓練を受けて貰うぞ」



「…うぅ……」



「そう嘆くな。まずは小手調べだ。レオン、能力は使うなよ?」



「分かってます…さぁ、お前も刀だけで来い。まずはそれからだ」


レオンは腰に提げた剣を抜いた。

それに合わせて勇翔も蒼天を抜いた。