「それで、なんで俺達が国連に行くことになるのですか?」



「お前達には、紫閃大隊に入隊する前に訓練を受けて貰う。入隊するのはその後だ。大隊長も、それまでは代理を立てることになっている。」




「代理……ですか?一体、誰が………」




「……八洲だ。」





その名前は、勇翔が最も聞きたくない名前だった。



「な……何で、八洲さんが……」



「あいつ自身から申し出たんだ。警視庁特殊犯罪対策課課長を辞職したらしい。詳しいことは知らんがな……」



「……八洲さん……」




「……とにかく、お前達以外にも戦力を募っている。いずれ、隊としての作戦も任せられるだろう。その時は、勇翔……お前が大隊長として部下を率いて戦うんだ。」




「………………」



勇翔は中々返事を返せなかった。一度にいろんなことを聞いて、頭が混乱していた。



「……今は分からなくとも良い。ただ覚えておいてくれればいい。人の上に立つ人間には、それ相応の責任が伴うということをな………」



四人はその空気のまま空港に向かい、空港から専用ジェット機に乗って国連本部に向かった。














「……待ってたわよ、勇翔。それに京介君と蓮ちゃんもね。」



四人を迎えたのは、以外にも悠里だった。


「母さん、八洲さんが入隊するって本当なの?」




「………えぇ。本当よ。さっき到着したんだけど、ずっと一人でトレーニングしてるみたいなの。きっと、誰とも口をきかないでしょうね……」



「………そっか……仕方ないよね……」


「勇翔、感傷に浸るのも結構だが、今は訓練だ。三階のトレーニングルームに行け。そこにお前の相手がいる。」